話題の映画をだいぶ遅れて観るシリーズです。

映像
まずは言うまでもなく映像美。
文句無く綺麗。水という物の美しさ、そして時に表す怖さを最高レベルで表現してだと思います。
魅力的な登場人物達
主人公イライザはとても魅力的。単純に良い意味で特徴的な顔立ち。
言葉が話せないという映画的には振り切った設定ですが、それ故何をしても1つ乗っかって魅力的に見えました。
宇多丸さんの批評を聴きましたが、その際番組に送られたメールに「イライザが半魚人に惹かれる過程が飛ばされてて乗れない。」と有りましたが、なんというかあの子なら納得!という感じで一切違和感は無かった。
過程はないけど、イライザという人物、存在自体がその過程を表しているように感じました。
他の登場人物も皆個性的で皆憎めないチャーミングなヤツらばかり。
そしてストリックランドの徐々に狂気を帯びていく様は惹かれ合う2人とは対照的な方向で物語に大きな推進力を付けていました。
(マイケルシャノンがどこか渡辺謙さんに見えてました。)
おとぎ話(ストーリーと設定)
人間以外と恋に落ちるという言わば超変化球をここまで違和感無く神秘的に描いたのが凄いなと思います。
半魚人が王子様に変わる!とかはよくあるけど、そのままの姿で2人が交わるという所は刺激的で神秘的ですやね。
中には拒否反応を示す人が居るのも分かりますが、やはりこの刺激、変な中毒性はヤバい。
そして小さなアパートの部屋でその半魚人と一緒に暮らす描写もこれまた素敵でした。
あの浴室を水で満たすシーンなんて最高にワンダー!!
更に下の映画館に水漏れしちゃったりでもうあのシーンだけでご飯3杯いける。
あと凄いホッコリしたのがジャイルズに毛が生えたところ。なんか良かったなーあそこ。
ラストシーン
サラッと逃してさよならーと終わってもそこそこな感じだと思うんだけど、手話で一旦2人がすれ違いそうになった所でストリックランドが来る。
で、イキナリ発砲。
まさかのイライザも撃たれる。
おいおいなんという悲しい結末。と思いきや半魚人が
蘇生からのストリックランドを一撃。
最後はイライザを抱いて海に帰る半魚人。
あのお姫様抱っこして海に飛び込むシーンは脳裏に焼き付いてる。
だってあれって普通に考えたらイライザにトドメを刺す行為だから。
最後沈みゆくイライザの周りを泳ぎ、彼女への愛と哀しみを噛み締めながら終わるのかな?と思いきや、彼がキスをしたらイライザが蘇生。
こうやって細かく文にしてみると1つ1つ小さなどんでん返しを織り交ぜたかなり秀逸なラストシーンです。
よく考えてみるとキスされたイライザは水の中で蘇生したわけであの瞬間人ではない何かに変わったのでしょうし。
オープニングの水の中に暮らすイライザへと繋がったと想像できますね。
いやいやワンダー。
個人的に、現実と非現実の融合の仕方、それを手伝った映像とムード。本当に好みでした。
それと昨日は朝一でこの映画を観たのですが、凄い集中出来た。なので感情が凄い揺さぶられた。
それも手伝って本当に良かったですシェイプオブウォーター。
あ、書き忘れてたけど音楽もめちゃくちゃ良かった!
今回ヘッドホンして大きめの音で観たから音の染み方も違ったな。当たり前だけど音も含めて映画だもんね。

The Shape of Water (Original Motion Picture Soundtrack)
Various Artists
価格: 1,900円
posted with sticky on 2018.8.15
Various Artists
価格: 1,900円
posted with sticky on 2018.8.15