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筒井康隆先生の「エロチック街道」を読了

筒井康隆先生の「エロチック街道」を読み終わった。



筒井先生の作品は初めてであり、もっと言うと小説家の方が書く本格的な小説を読むのも初めてだと記憶している。

 


きっかけは愛聴しているラジオ番組「菊地成孔の粋な夜電波」内のコーナー「金曜朗読ショー」にて、この短編集の中の「中隊長」が菊地さんと田中みな実アナによって朗読されたのを聴き、ほの独特の雰囲気に引き込まれたからである。





この「エロチック街道」だが、レビュー等を読むと、極めて実験的な作品と評されている。



確かに短編集の中には、様々な言葉を用いてとことん遊び倒してる物も有り、驚いた。



小説家=お堅い文章を書くイメージだったが、中にはそのままコントにでもなりそうな遊び心たっぷりの章がいくつもある。



勿論出てくる言葉自体は格式高く、極めて文学的である。



一つ一つ様々な色が有り、面白買ったり、硬かったり、感動したり、飛んでたり、と様々な印象。



言うならば在り来たりながら文章のおもちゃ箱といった感じ。



そして何より痺れたのが「ジャズ大名」と「エロチック街道」である。



ラスト2作品なのだが、深く入り込み堪能した。



どちらも小説慣れしていない自分にとっては丁度良い長さだ。



いや、「エロチック街道」に関しては「まだ終わらないでくれ!」と思う位に、世界観に浸れた。



それぞれの感想だが、



ジャズ大名」は最近冒頭で書いた菊地成孔さんの影響でジャズも聴くようになったので、一つ一つのシーンが頭に浮かび堪能できた。



筒井先生の音楽リテラシーの高さに驚いたのだが、どうやらご自分でボサノヴァや、ジャズを演奏されるらしい。



文中に楽譜まで出てくるのだが、演奏者という事なら納得だ。



そして、「エロチック街道」。



冒頭から何か怪しい雰囲気の街に迷い込んだ感が漂い引き込まれた。



初めての筒井作品で、傾向を知らないからか、はたまたSF作家という頭が有るからか、主人公にいきなり何か危険が襲い掛かる様な怯えをはらんで読んでいた。



結局その様な事は起きなかった訳だが。



なんとも言えない世界観と雰囲気、時代感を想像し移入して読んでいた。



文字だけでここまで世界を作らせるのだから文筆家とは、小説とは凄い。



今はやれ動画だ、やれ画像だの時代だが、文字にしか出来ない事が確かに有ると実感すると共に、筒井先生の作品をこれから読んでいきたいと思う。

読もーう!



エロチック街道 (新潮文庫)
筒井 康隆
新潮社
1984-10-01