感想の前に
菊地さんの本はこれで5冊目。
最初は格闘技本「あなたの前の彼女だって昔はヒョードルだのミルコだの言ってた筈だ」でした。
大好きな格闘技と、その時興味を持ち始めた菊地さんの組み合わせにワクワクして読み始めるも、菊地さん文には低学歴&低文学リテラシーの自分が知らない言葉だらけ、調べながら読むので進まない進まないという事態に陥りました。
しかしながら観点、感性、表現、文脈全てが個性的で新しくその独特の世界観に深く感銘を受けました。
菊地さんの書く文がスラッと頭に入ってこないなんて俺はなんて馬鹿なんだー!と思っていたら、「水曜wantea」という菊地さんがやっていたラジオに水筒橋博士がゲストで出た際に「菊地さんの本は普通の人には理解出来ないよ。」的な発言をされていて、少し安心したりもしました。
というものの、結局5冊も読んでますし、コンプリート読了を目指している訳ですので、菊地さんの紡ぎ出す文にしっかりと魅了されているのは間違い有りません。
また、5冊目ともなると慣れだし、学び、少しずつ理解度も増してきているのを感じております。
また、考え様によってはこれから何度も再読を繰り返す中で理解を深めていくという事が出来る訳で噛めば噛むほど味が出てくる本と言えるでしょう。
感想
さて、「スペインの宇宙食」の感想です。
菊地さん曰く、著書の中でも1番人気
が有る作品との事です。
この本は日記を書籍化した形なので、それがとっつき易く人気なのでは?との事。
確かにその通りで、他作に比べ、読みやすく入りやすい印象は有ります。
この本は本編が終わり最後に、よしもとばななさんの書評が載っていまして、そこで彼女が自分が感じていた事をしっかりと文にしてくれていました。
彼女の書評は「「この本は日記だけど、小説の様だ。」、「菊地さんはとても悲しい人生を送っている。」という様なものでした。
その通りであり、日記の域を超えた日記であり、そこには極上の感性とドラマ性が犇いております。
正に小説、物語として読む事が出来ました。
また、「悲しい人生」というのもまた分かります。
好きな音楽をして好きな物を食べて楽しく生きている様に見えながらも、そこには才能者故の苦悩や苦しみが垣間見えます。
とてもデリケートで繊細な一面が有るのではないかと感じました。
とはいえ菊地さんは「自分の事はライブに来ないと1ミリも分からない。」
と仰ておりますので、これを確かめる為にもライブに足を運びたいと思います。
あとがき
というわけで、大好きであり大尊敬する菊地さんの初著書のレビューでした。
まだ菊地さんの本を読んだ事無い方はここから入るのが良いかと思います。
手にとって読んでみる事により、今迄見た事がない世界、感じた事がない世界に触れる事が出来るかもしれません。